column|黄金比と畳
畳の間は日本独特の建築様式で、藁を芯に、織られた藺草でくるんで、縁にはとめと装飾を兼ねそなえた布でおおわれ、蝋で補強され麻糸で編まれていました。
材料はすべて循環する自然素材でつくられていました。
大きさは3尺×6尺(910mm×1820mm、1.6562 m2 )のものを基本に1:2の調和をもっています。
畳を複数組み合せて敷かれた空間は、3畳=黄金矩形2:3、6畳=3:4は音楽のルートハーモニーが具現化され、調和したプロポーションを構成しています。
これは、黄金比(近似値は1:1.618、約5:8)と反映しています。
日本の建築において、平面に畳を、垂直に障子を使うことで空間全体がひとつのリズムをともなって調和的なプロポーションを保っています。
紀元前5世紀のギリシャの哲学者プロタゴラスによれば「人間は万物の尺度である」と表しています。
黄金比はわたしたち人間を含む自然界の構造の基本比率となっています。
和室のもつ何とも言えない落着きのある空間で、日本建築の叡智をご体験いただけるかもしれません。
参考文献:デザインの自然学